木造十一面観音立像 (県指定有形文化財(彫刻)) バナー
 
木造十一面観音立像
 
メモ
木造十一面観音立像もくぞうじゅういちめんかんのんりつぞう (県指定文化財けんしていぶんかざい

 この十一面観音じゅういちめんかんのんは、かって旧若松町内きゅうわかまつちょうない存在そんざいした長峰寺ちょうほうじにあったものとつたえられています。寄木造よせぎづくり像高ぞうこう141センチメートル、姿すがたには宋風そうふう影響えいきょうつよくみられ制作年代せいさくねんだい室町時代むろまちじだいおもわれます。
 近年きんねんこの仏像ぶつぞう修理しゅうりおこなわれましたが、そのさい慶長けいちょう16ねん(1611年)と明治めいじ17年(1884年)にも修理が行われていることが判明はんめいしました。注目ちゅうもくされるのは慶長の修理が、六郷政乗ろくごうまさのりまご政慶まさよしめいにより行われていたことです。六郷氏ろくごうし佐竹氏さたけしわりで府中ふちゅうはいりましたが、そのすぐに出羽国でわのくにもどってしまい、石岡市内いしおかしないではあまり記録きろくのこっていません。六郷氏の石岡市内での足跡そくせきをたどる貴重きちょう資料しりょうえます。
案内板
木造十一面観音立像 (県指定有形文化財(彫刻))

   所在地:石岡市若宮一丁目8番23号
   指定年月日:昭和40年2月24日

 寄木造、漆箔、一躯、像高141センチメートル。像容は高い宝髻、面長な面相、心持ち腰を左にひねり、姿に変化をもたせている。折り返して二段に設けた裳が複雑な衣文をつくり、それが下方に長く垂れて刻む彫り口など、宋風の影響が強くみられ、制作年代は室町時代と思われる。天冠台上の化仏はすべて失われている。技法・表現とも地方化がみられ、在地仏師の造立であろう。  この十一面観音は、かってこのあたりに置かれた長法(峯)寺にあったものと伝えられる。

   昭和60年1月
      石岡市教育委員会
      石岡市文化財保護審議会
( 登録No.039/02.04.19 2版 10.03.06 )