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常陸国総社宮
 
案内板 1/4
常陸国總社宮由緒

一、祭神
伊弉諾尊  素盞鳴尊  瓊々芸尊
大国主尊  大宮比売尊 布留大神

一、由緒
創建時代を詳にせずと雖平安時代には普く全国国府の地に鎮座ありしこと明らかなり当社の伝に依れば聖武天皇の天平年間勅命によって天神地祇の中霊験の御神を国内六府の地に合祀せられ以て国家鎮護皇室御守護を御祈願あらせられしに依り東国に於ては往古より国衙の庁ありし此の地の神石の辺りに御造営ありしとなん 即ち当社は我国最古の総社の一にして往昔常陸国總社宮と称ひ奉りて世々の国司祭政一致の大典に基き奉斎の誠を致し当時官社に列し一宮鹿島神宮と相並びて朝廷及鎌倉将軍家の奉幣ありし事所蔵文書に明らか也戦国兵乱の世となりては大掾氏の崇敬篤かりしも後江戸時代には郷閣の産土神として朝野の信仰深く明治四年郷社に列し仝三十一年縣社に昇格せり 古来武将の尊敬深く弘安役に於ける敵国降伏の祈願を始め永享年間には太田道灌陸奥下向の途次当社に参籠武運長久を祈願ぜられ左の和歌を詠ぜ里
 曙の露はおくかも神垣や
    榊葉白き夏の夜の月

一、寶物
  一、治承年間以後古文書四十七通
  一、三十六歌仙額
  一、軍扇 太田道灌入野左エ門佐竹義宣寄進
  一、その他 弓矢 刀剣 古美術品
                    常陸国總社宮
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良時代創建 常陸国總社宮

主要行事
1月 1日〜10日 歳旦祭 初詣祈祷
1月15日     成人祭
2月 3日     節分追儺祭
2月11日     建国祭
2月21日     祈年祭
4月5月6月    交通安全祈願
6月30日     水無月祓
旧6月14日    八坂神社祭
9月14日     神幸際
9月15日     大祭
9月16日     還幸祭年番引継式
11月15日     氏神祭 七五三祭
11月23日     勤労感謝祭
12月 6日     新嘗祭
12月31日     大祓祭
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常陸総社宮の文化財

   所在地   石岡市総社二丁目8番1号
   祭 神   伊弉諾命・大国主命・素盞鳴命
          邇々芸命・大宮比売命・布留大神

 天平年間(729〜749)に天神地祇六柱を、国府の南の丘に迎えて創建したといわれる。一般に総社と称する神社は、諸国の国府所在地に多く、その創建年代は明らかでない。
 総社の始まりについては、国府において都の神祇官と同様、祭神の中心として国内の神社を総括管理するという説、国内の神社を合わせてまつることで、国司が国内の神社を巡拝するのに代えたとする説など、諸説がある。
 社伝によると、初め国家鎮護の社として全国のうち、常陸・武蔵・甲斐・駿河・長門・対馬の六国府が選ばれ、常陸国府に第一創建あるべしの勅命により建てられたとある。
 例祭は九月十四日から十六日。町内を獅子・山車が練り歩き、関東の三大祭としてにぎわいをみせている。
*県指定文化財(昭和58年3月18日指定)*

扁額三十六歌仙絵14面(絵画)
 扁額三十六歌仙絵は、常陸小川城主薗部時定以下一族によって奉納されたもので、文亀2年(1502)8月に絵師成田小次郎平益親が描き、翌年7月に尚純が歌を書きおえている。縦40.9センチメートル、横100.3センチメートルのもの8面と縦40.9センチメートル、横67.8センチメートルのもの6面からなり、着色板絵で額装されている。
 描法・色調とも繊細な筆致で、全体に優雅な作品であり、保存状態は良好である。
 室町時代の在銘歌仙絵には、白山神社(滋賀県)、小村神社(高知県)など数例が知られているが、遺品は少なく、総社宮のものは、白山神社のものについで製作が古く、室町時代の絵画作品として貴重なものである。

常陸総社宮文書1冊(50通)(古文書)
 常陸総社文書は、治承3年(1179)を最古とする中世文書42通と、慶長以後の近世文書8通で、現在は縦39.2センチメートルの絹表紙折本式書帖一冊に表装され、杉板製の箱に納められている。
 内容には見るべきものが多く、たとえば最古の「常陸国惣社造営注文安」は、国衙の在庁官人が造営を総社に宛て課しためずらしいものである。また、永仁5年(1297)の「留守所下文」は、永仁の徳政令の発令後一ヶ月も経ないうちに、田や屋敷地を取戻したという事実を伝えている貴重な史料など、類例のない歴史的価値の高い文書が多い。

漆皮軍配1柄(伝太田道灌奉納)(工芸品)
 この軍配は、比較的小形であり長い柄の形式は古制を示し、室町時代の作と推定される。
 縦長48.9センチメートル、最大幅19.1センチメートル、柄幅2.6センチメートルの鞣革製黒漆の軍配で、表には朱漆で種子(カーン)を中心に一二支を表し、裏も朱漆で種子(ア)を大書している。本品には浜松城主太田備中守資宗、嫡男摂津守資次寄進の箱がともない、蓋裏に寛文8年(1668)4月の年記と軍配の由緒を記す金漆銘がある。

漆皮軍配1柄(伝佐竹義宣奉納)(工芸品)
 この軍配は、太田道灌奉納と伝えられる軍配よりやや小形であるが、ほぼ同形のもので、鞣革製、金漆にて固めており、安土桃山時代の作と考えられる。
 縦長45.1センチメートル、最大幅18.0センチメートル、柄幅2.2センチメートルで、表には種子(ア)を中心に円形内に一二支を墨書し、裏には朱漆にて日輪を大書する。この日の丸は佐竹氏の家紋を表わすものと思われる。その上方左右に「甲辰日/辰時」「乙巳日/巳時」の墨書がある。総体に道灌奉納の軍配を踏襲したものである。

   昭和60年1月
      石岡市教育委員会
      石岡市文化財保護審議会
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常陸総社宮の文化財

   石岡市総社二丁目8番 市指定有形文化財(彫刻)

昭和60年11月8日指定 随身像(左大臣・右大臣)
   檜材 寄木造・挿首型・胡粉下地彩色仕上。
   左大臣 86.0センチメートル、右大臣 84.5センチメートル。

 この像は、首柄内の銘記により製作年代(1680)、作者名・寄進者がそれぞれ判明している。肩の張り・股間・袖張りなどに武人の重厚さを表わし、面相は、武人の気迫と動きがうかがわれる。三百年以上経過しているため、持物や冠部の飾りの逸失などはあるが、頭・体部などは良く保存されている。

   昭和61年3月
      石岡市教育委員会
      石岡市文化財保護審議会
( 登録No.016/02.01.12 )