常陸国分寺跡　（国指定特別史跡）

メモ

常陸国分寺跡ひたちこくぶんじあと　（国指定文化財くにしていぶんかざい） 　国分寺こくぶんじ・国分尼寺こくぶんにじは、天平てんぴょう１３年ねん（７４１年）聖武天皇しょうむてんのうの命めいにより、五穀豊穣ごこくほうじょう・国土安穏こくどあんのんを願ねがって、国くにごとに建たてられた寺院じいんです。当時とうじは疫病えきびょうも流行りゅうこうしており、仏ほとけの力ちからを借かりることで国を安定あんていさせようと考かんがえたのです。 　石岡市いしおかしが行おこなった発掘調査はっくつちょうさによって、中門ちゅうもん・金堂こんどう・講堂こうどうが一直線いっちょくせんに並ならび、中門から金堂にかけて回廊かいろうが巡めぐることが分わかりました。また、境内けいだいには塔跡とうあとのものと思おもわれる礎石そせきがあります。塔とうの正確せいかくな位置いちはまだ判明はんめいしていませんが、伽藍がらんの東側ひがしがわに「ガラミドウ」という地名ちめいがあり、関係かんけいが注目ちゅうもくされています。

案内板

常陸国分寺跡　（国指定特別史跡） 　　 　　所在地：石岡市府中５丁目１番 　　 　　特別史跡指定年月日：昭和２７年３月２９日 　国分寺・国分尼寺は、天平１３年（７４１）聖武天皇の勅願により、鎮護国家を祈るため国ごとに置かれた寺院である。 　国分寺は、金光明四天王護国之寺といい、金字金光明最勝王経１部を安置した七重塔を設け、常任の僧２０名と、最勝王経１０部を置いた。寺院の財政は、封戸５０戸、水田１０町によってまかなわれた。 　常陸国分寺跡は、昭和５２年の発掘調査により、現本堂西側に鐘楼基壇（鐘つき堂の基礎）が発見され、次いで、昭和５６年から二次にわたる発掘調査では、各伽藍（主要建造物）の基壇の規模が明らかにされた。特に、金堂跡については、現在残されている基壇約４倍の規模をもつことが明らかになり、大建造物を有する寺院であった。 　近年の研究では、今まで判明していなかった七重塔の位置が、寺域東側に推定されている。寺域は、東西約２７０メートル、南北約２４０メートルの規模を持っていた。 　常陸国分寺跡発掘調査で出土した遺物は、瓦が主体であるが、その中でも、創建瓦（複弁十葉蓮華文軒丸瓦）は、平城京羅城門跡で発見された軒丸瓦と同系の紋様であることが注目される。これは、国分寺建立に際し、当時の政府が瓦工の派遣などを含む、技術指導をしたことを物語っている。 　　　　昭和６０年１月 　　　　　　　石岡市教育委員会 　　　　　　　石岡市文化財保護審議会

（　登録No.001/01.11.24　2版 09.12.24　）

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